プロもアマチュアもノコギリを手で挽くのは基本中の基本です。電動工具も大事ですが、やはり重要なのは細かな箇所をササッと手鋸で処理できること。大工の棟梁である父から教わったノコギリの基本、挽き方をご紹介します。
のこぎり名称
手鋸(てのこ)
英語では(Hand Saw)ハンドソウと言います。
両刃、片刃ノコ、折込ノコ(枝切など)、糸鋸など様々なのこぎりがありますが、今回は基本中の基本から学びましょう。
のこぎりの選び方
両刃のある鋸(のこぎり)をおすすめします。
また硬さの柔らかい鋸は、10.5☓10.5cmなどの材木には適していませんので鋼が硬めの鋸を買いましょう。
安いノコギリとそれなりにするノコギリの違い
父曰く、安い鋸は何年も経つと表面が赤く錆びるというのです。
しかしGOに「じゃ、使ってないからあげる。」とくれたのは20年近く経ちずっと使っていませんでしたが、ほんの薄く表面が茶色になっていても頑丈で切れ味もよいノコギリでした。
当時、数万円したらしい。
安いものや柔らかいのこぎりの注意点
- 刃が折れる
- 赤錆が出る
- 硬い木材の切断は大変(向いていない)
使い方
両刃の良いところは、材木の縦・横どちらにも使えるところ。
のこぎりの刃が荒い方
縦用。つまり木の繊維に沿って縦に木を切断する際に適しています。
のこぎりの刃が細かい方
横用。木の繊維に対し、垂直など繊維を断ち切る際は、この細かな目がある面が向いています。
のこぎりを使う前に
固定を必ずしましょう。怪我防止、効率よく材木を切るためでもあります。
ノコギリの持つ位置
刃に近い柄を持つと、手首に力が入りやすくなり手前や奥にブレる原因にもなります。
よって、柄の中央部を軽く握ることです。
のこぎりの挽き方
挽きたい箇所に線を引きましょう。
切り始めの位置を決める
まずのこぎりを持たない手の親指で、線の先ガイドとしてのこぎり脇に添え、のこぎりをやや斜めにして挽き始めます。
鋸は肩で挽く
手首、腕では挽きません。
のこぎりは肩で挽く。
肩を真後ろに挽くイメージです。そこから練習をしましょう。
挽き始めのポイントと、線を引いた自分の手前側の線を見ながらのこぎりを手前に挽きます。とにかくまっすぐ、刃がブレないようにのこぎりを挽けるようになることが大事なポイントなのです。
アメリカと日本ののこぎりの違い
実は日本とアメリカの大工ののこぎりの挽き方は違います。
- 日本は手前に挽く。
- 欧米では押して挽く。
万一海外の旅先で何か修理する必要性が出てきたら、ノコギリの使い方に注意ができますし、参考までに知っておいても損はないでしょう。
切れ味が悪くなったら?
金物屋さんで「目立てをしてください。」といえば、数千円程度で専門の職人がキレイに磨いてくれるということ。これはホームセンターではない職人ならではの情報かもしれません。
自分で目立てはできる?
目立てはできますが、鋸は二枚刃出てきていますので、使っているうちに刃と刃の間隔が狭まってきてしまいます。そうすると、自分でヤスリなどで手入れをしてきても、十分な切れ味にすることは難しくなりますので、のこぎりなど刃物専門の職人がケアをした方が長持ちし易いです。慣れない素人が目立てもできますが、切れ味がどこまで持つか誤って刃を駄目にする可能性もありますので、自分で行う場合は注意しましょう。
※または替え刃交換ができるタイプもあるので、ああいったタイプののこぎりも便利です。
のこぎり両刃の目立てのコツ
目の細かい方も、荒い目も1つ1つヤスリで磨いきます。特に荒い目の刃は1つ1つヤスリをする際、
一回で一気に奥にサッサッと研ぐように
していくとよいそうです。
(元大工の棟梁の父からの教え)
大工道具はDIY(日曜大工)だろうと、プロになりたいにしても習うより慣れることです。
練習をすればするほど、のこぎりを挽くための良いフォームができるので、自然と身体も慣れて(良い筋肉のトレーニングにもなる!)作業効率もアップできる上にレベルアップもでき、よりDIYが楽しくなりますよ。